メールマガジン『学級通信のネタ』バックナンバー
第88号
☆『諸行無常』
君たちが暗記した『平家物語』の冒頭部分に『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり…』があります。今日はこの中の『諸行無常』について解説してみたいと思います。
すべてのものは、移ろいゆくものであるから、何もかもが変化してゆくものとして、一切の現象を見つめなさい。
一切の現象の中には、物質や肉体のみならず、心の中にて思い浮かぶこと、考えたことも含まれます。すべてのものは流れ去って行くものです。
このような、川の流れのようなものだから、執着してはいけません。何一つ「自分のものだ」と思って、つかんではいけません。
「これが私だ」と思ってもいけないし、「私のものだ」と思ってもいけません。すべては過ぎ去って行くもの、すべては変わり行くものだからです。
その中に人間は生きているのだということを自覚しなくてはいけないのです。
以上が、『諸行無常』の意味です。ところが、「すべてのものは変化し、移ろいゆくものだから、何もそんなに一生懸命になって、努力する必要はないのです。
川の流れに身を任せ、あるがままに生きて行けばそれで良いのです。」と解釈される場合があります。これは巧妙な「すりかえ」です。
はっきりと間違いであると言っておきます。本来の『諸行無常』とは、「変化の中に生きている自分を自覚し、執着を捨て去れ」と説いているのです。
平家物語の冒頭では、驕り高ぶった平家が、滅亡してしまったことに触れ、もう一度『諸行無常』を思い起こすべし、というのでしょう。
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