メールマガジン『学級通信のネタ』バックナンバー
第164号
☆ある小学生のこと
先日、ある高校生が落ち込んでいました。尋ねると「小学生にバカにされた」というのです。頭にきたからと言って、当然、高校生として小学生に手を出すわけにもいかず、
その時、何もできなかった自分を悔しがっていたのです。
工場に見学に行ったとき、小学生が声をかけてきました。「こんにちわ」、と挨拶をしてきたのだそうです。そこで、彼も、「こんにちわ」と返したのですが、相手の小学生は、
「ばーか。おやじ!」と罵ったのです。小学生のそうした態度は、許されるべきことではありません。君たちだったら、どう対処しますか?
「ぶん殴ってやる」という声が多いようですが、果たしてそれでよいのでしょうか。「どうせ、俺たちが手を出したら、逆に学校で処分されるんだろ…」、
「親の顔が見たい」、「言葉で応酬する…」、こんな声も聞こえてきましたが、どれもあまり有効は解決策とは言えないようです。
さて、その小学生は、本当にほんの冗談のつもりで言ったのでしょうか。状況からして、「高校生は手を出せない」と判断してのことだったのでしょうか。
しかし、もし仕返しされたら、絶対に勝ち目はなかったはずです。
私は、その小学生を思うと悲しくなりました。本気にしろ冗談にしろ、安易にそのような態度をとってしまった彼は、淋しい人間なのだなぁ、と思うからです。
子ども時代は、ご両親の愛をめいいっぱい受けて育たなくてはなりません。その中で、社会性を学び、善悪の判断基準を学び、知識を学びます。
ところが、彼の場合、この部分がうまくいっていないことが想像されます。どういう環境なのか分かりませんが、きっと悲しく、苦しい状況なのかも知れません。
また、間違った言動をしたときに、きちんと叱り、教え諭してくれる大人が側にいるのかどうかも、気になります。このまま大人になってしまえば、
さらに一段と、苦労の多い人生を歩むことになってしまうからです。
こうした観点から、我慢した高校生を振り返ると、「傷ついたかもしれないけど、立派だったかな」と思います。その高校生の方が、さすがにずっと大人で、健全だからです。
その場で、叱ることができたならば、満点だったかも知れませんが、なかなかできることではないでしょう。
社会にはいろいろな人がいます。彼らも子ども時代があり、いろいろな人から、様々なことを教えられ育ってきました。そうして立派な考えができる大人が多くなると、
社会は栄えてゆきます。今は悔しいでしょうが、あの小学生が、どこかで間違いに気づくことを願いましょう。
さて、君たちだったら、どうしますか。
メールマガジン『学級通信のネタ』のバックナンバーを再編集し、紹介してます。