メールマガジン『学級通信のネタ』バックナンバー
第168号
☆真に心優しい人になれ
君たちと接していて、ときどき、「すごいなぁ」と思うことがあります。それは、君たちが「友だちの気持ちを、本当に考えているな」、という場面を見るからです。
相手の気持ちを察し、そっと声を掛けている場面を見ると、「さすがだなぁ…」と思う一方で、「負けたな…」という気持ちにもなります。
困っているときに、声を掛けてもらえると、とてもうれしいものです。一人で苦しんでいるときにこそ、優しい言葉が身に染みます。
たとえ、「ほっといてくれよ」と言葉にはしたものの、友だちのその優しい言葉は、黄金色になって、心に染み込みます。
そして、心の中では、「ありがとう…」と、何度も何度も繰り返しているのです。そうしたことを、自然に、もしかしたら無意識のうちにできるのが、君たちの年代なのかも知れません。
大人になると、なかなか人の心を動かすことは難しくなります。少し打算的になって、計算して物ごとを考えてしまう傾向があるからです。
君たちのような純粋性が、薄らいでしまうのでしょうか。とても悲しいことです。「困っている人には、声を掛けなければならない」と、頭で考えて声を掛けてしまうことが多いのです。
「一応、励ましておこうか」とか、「まぁ、声を掛けておくかな」、などと醜い大人の論理が先に立ってしまうからです。
しかし、真に心優しい人は、本当に、相手の気持ちを考えて、どんな言葉が、相手にとって一番うれしい言葉なのか、を考えて言葉を発します。
「今、彼が、彼女が、一番必要としている言葉は何だろうか、どう声を掛けたら、少しでも悲しみを忘れることができるだろうか、少しでも苦しみを和らげることができるだろうか」、
ということを必死で考えるのです。そうして、声を掛けます。相手の悲しみを、自らの悲しみとし、相手の喜びを、自らの喜びとするのです。
確かに、このような人は、非常に少ないかも知れません。君たちにとっては、見たことのない大人なのかも知れません。しかし、世の中には、こうした人たちは、必ずいるのです。
なかなか、目立たないかも知れませんが、本当は、いろいろなところに、こうした優しい人はいるのです。
私は、君たちに、このような人の気持ちを分かる人間になってもらいたいと思います。こうした人が、一人でも多くなれば、世の中は変わります。
今日本では、毎日たくさんの悲しい事件が起こっていますが、そうした事件を起こしてしまう人びとは、きっと苦しんでいるのです。
近くに、優しく声を掛け、一緒に悩んでくれる人、一緒に悲しんでくれる人がいないのです。だから、一人で暗い夜道をさまよっているのでしょう。
もし、そうした人たちが、十年後の君たちの友だちだったらどうしますか。二十年後、中学、高校時代の親友だったらどうしますか。
そのとき君たちは、今の君たちのように、きっと相手を励まし、優しい言葉をかけ、悲しみや苦しみを共に共有し、解決のために全力を注ぐに違いありません。
たったひと言で、人は変わることができます。真に心優しい人となれ。
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